車が全損の場合、必ずしも保険会社が引き上げるわけではない

車が全損の場合、車は保険会社が引き上げられるという話を聞いたことがあるのではないでしょうか。

この疑問に、元保険会社の事故担当者の私がこの記事でお答えします。

結論としては、被害事故で全損なら引き上げられない。車両保険で全損なら原則、引き上げられることになります。

車両保険で全損の場合、保険約款で所有権が保険会社に移ると定められているため、保険会社が車を引き上げます。

なぜ、保険会社が車を引き上げるのかと言うと、残存価値があるからです。例え全損車でも車には価値がありますので、保険会社は車を引き取り業者と取引しています。

では、車両保険ももらって、自分で車を処理することはできないのでしょうか？

答えとしては、可能です。多少グレーな方法ではありますが、全損でもどうしても車を修理したい場合などに、保険会社は車を引き上げずに処理することがあります。

詳しくは以下の記事をご確認ください。

追突事故などの被害事故で車が全損の場合、相手保険会社の対物賠償保険で補償されるわけですが、その場合、相手保険会社に車を引き上げる権利はありません。

保険会社で勤務していた際に、契約者様から相手保険会社が車を引き取るといってきて困っている相談されたことが1度ありましたが、原則、被害事故で全損の場合は相手保険会社は車を引き上げません。

あなたが車を処分してくださいと言えば動きますが、ほぼほぼありません。

もし言ってきたとしても、「こっちで処分します」と伝えればいいです。相手保険会社と何か保険契約を結んでいるわけではないので、相手保険会社にそんな権利はありませんからね。

ただ、ここで問題になるのが廃車するか売るかという点でしょう。結論を言えば、車は売却してください。

なぜなら、使えるパーツがあれば高値で売れるケースがあるからです。廃車はよくて0円ですが、売却は5万円～10万円の値がつくこともありませす。

売却方法について、詳しくは以下の記事をご確認ください。

全損車の引き上げについては車両保険と対物保険では考え方が異なるというのがポイントです。

車両保険でまれにトラブルになるのが、保険会社に相談なしに、ディーラーに車を下取りしてしてもらったというケースです。

その場合、車両保険金が減額されることとなるので、注意してください。