【全損代車請求の判例まとめ】2週間〜1ヶ月が相当として認定されます
【判例@】代車期間は30日が相当
裁判所 | 大阪地判平24.11.27.(2) |
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事件番号 | 平23(ワ)第8224号 |
出典 | 自ジャ1889号64頁 |
原告代車請求 | 235,200円 |
被告主張 | 132,000円(日額6,300円×21日) |
判決 | 189,600円(日額6,300円×30日) |
原告の代車請求に関して、被告は「買い替え期間は3週間程度、日額6,300円、合計132,000円が相当」と主張するも、判決では買い替え期間30日、合計189,600円を容認。
尚、この裁判では過失についても争われており、原告は過失0:100主張、被告は過失20:80主張でしたが、判決では原告10%、被告90%という判決でした。
当然、代車費用も過失分となり、被告から原告に支払われる代車費用は、90%分の170,640円となります。
【判例A】代車期間2週間を否認
裁判所 | 東京地判平14.9.4.(1) |
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事件番号 | 平13(ワ)第20675号 |
出典 | 未公表 |
原告代車請求 | 37,800円(日額3,780円×10日間) 252,000円(日額3,500円×72日間) |
被告主張 | 36,000円(日額3,600円×10日間) 21,000円(日額3,500円×6日間) |
判決 | 37,800円(日額3,780円×10日間) 108,500円(日額3,500円×31日間) |
代車が2列に分かれているのは、上がレンタカー費用、下が工場代車費用のためです。保険会社によくある主張が代車期間は2週間が相当という主張です。買い替えにかかる期間は2週間いうわけです。
ですが裁判では約1ヶ月で認定するケースのほうが多く、保険会社主張の2週間を鵜呑みにする必要はないということです。
【判例B】代車期間は20日が相当
裁判所 | 横浜地判平24.6.21 |
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事件番号 | 平23(ワ)第1521号 |
出典 | 交通民集45巻3号747頁 |
原告代車請求 | 156,000円(20日間) |
被告主張 | 全額否認 |
判決 | 156,000円(20日間) |
原告の新車への買い替え期間に要した代車費用を請求した裁判ですが、裁判所は原告の主張を全面的に容認しています。
全損代車請求の結論
保険会社に代車認定期間は2週間と通告された場合、2週間は最低期間であり、実際に裁判となれば、正当な理由であれば〜30日は認められるものと考えましょう。
保険会社が譲歩してくれるケースとして多いのが、事故車よりクラスが下のレンタカーを借りているケースです。
保険会社はトータルの支払額をベースに考える傾向が強いので、例えば日額レンタカー費用が安い軽自動車などであれば、最初から30日まで見てくれる可能性も高くなります。
但し、根拠のない請求はダメで、かつ、買い替える新車の納車が2ヶ月先になりそうでも、認められるのは30日が限度と考えたほうがいいでしょう。
また、代車を早く返すことで時価額に上乗せされるケースもあるので、詳しくは以下のページをご参照ください。
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