交通事故で新車が全損になったときに知っておくべき支払い基準

交通事故で新車が全損になったときに知っておくべき支払い基準

 

新車を買ったばかりなのに車が全損になってしまった。特に被害事故であればやりきれないでしょう。

 

まず、結論をお伝えすると自損事故で全損になった場合、新価特約がついていれば次に買う新車代金全額が保険でおります。

 

ですが、被害事故の場合は、新車代金全額、相手保険会社からはもらえません。新車をもってきてもらうこともできません。事故時の時価額があくまでも限度となります。

 

これは裁判をしても同じことなので、納得はできないかもしれませんが、納得せざるをえないのが現状です。

 

 

【車両保険】で新車が全損のケース

 

車両保険で全損の場合、まず見ていただきたいのが車両新価特約の有無です。

 

保険会社によって内容は若干異なりますが、だいだい新車購入から1年〜3年以内であれば付帯できる特約となっています。

 

内容としては、全損の場合に、新車の再購入費用を車両保険として全額支払ってもらえる特約となっています。

 

  • 車両の本体価格
  • 付属品(オプション)
  • 消費税

 

これの合計金額です。新車ならいくらでもいいというわけではなく、契約時に定めた金額が限度となるので、詳しくはご加入の保険会社にご確認ください。

 

また、自動車取得税などの税金については新価特約では対象外となりますが、買替時諸費用補償特約が付帯されているでしょうから、その特約を使えば車両保険金額の15%(40万円限度)がプラスでもらえるので、自己負担はほぼゼロで新車購入できることとなります。

 

もし、新価特約が付いていない場合ですが、これは契約時に定めた車両保険金額が限度となります。

 

例えば、150万円の保険金額なら、165万円(全損時諸費用特約10%プラス)が車両保険としております。

 

尚、車両保険の手続きの流れについては以下の記事をご確認ください。

 

 

 

追突事故など被害事故で新車が全損のケース

 

この場合、腹立たしくて仕方がないと思いますが、例えば納車後すぐの事故であっても、新車と交換や購入した新車代金を全額賠償してもらうことはできません。

 

裁判所 千葉地判H20-3-19
事件番号 平16(ワ)188号
出典 交通民集41巻2号364頁
被害車両 8日前に120万円で購入の新車
判決 1,000,000円

 

8日前に120万円で購入した新車であっても、判決では購入価格の約90%が妥当という判決が出ています。これはいくら何でも低すぎると思いますが、基本的には新車登録直後から1年以内であれば減価償却定率法で車の時価を算出するケースが多いです。

 

普通乗用車の場合、償却率は年0.167ですから、1か月であれば0.0139減価します。

 

そうなると、「新車購入費用×(1-0.0139)」の金額を請求できることになります。2か月であれば、0.0278減価して計算してください。1年であれば0.167です。

 

新車登録から1年経過すると、レッドブックという書籍が基準となるため、金額がガクッと落ちる傾向にあります。そのため、ネットや中古車雑誌から事故車と同じ車の販売価格を調べて、その平均額を請求する方法も1つのやり方です。

 

時価額UPについて、詳しくは以下の記事で解説していますので、そちらをご確認ください。

 

 

尚、次回保険料が上がることになりますが、もし車両保険で新価特約がついているのであれば、納得はできないでしょうが、自分の車両保険を使うというのも一つの方法です。

 

 

まとめ

 

車両保険の場合は新価特約、被害事故の場合は減価償却定率法で時価額を計算するというのがポイントとなります。

 

尚、被害事故で保険会社が認めてくれないからと言って、加害者に直接請求する方もいますが、これは逆効果となり最悪相手保険会社が窓口を弁護士に切り替えることとなりますので、過度な直接請求はされないことが懸命です。

 

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