全損で弁護士特約を使い弁護士に依頼しても金額UPできるわけではない

全損で弁護士特約を使い弁護士に依頼しても金額UPできるわけではない

 

車が全損になり保険会社と交渉しているが、思い通りに交渉が進まず弁護士に依頼しようと考えている。

 

この行動は間違いではありません。

 

ただし、元保険会社の人間から言わせて頂ければ、弁護士に頼めば思い通りになるとは考えないほうがいいです。

 

特に全損事故で車の時価額UPの交渉だけなら、あまり期待はしないほうがいいです。

 

結論としては、ケガの示談交渉もお願いする場合は積極的に弁護士を使ったほうがいいという考えです。

 

 

弁護士に頼む前に知っておきたい事実

 

 

弁護士基準がないため必ず時価額UPできるとは限らない

 

人身事故においては、保険会社基準・弁護士基準と賠償基準が明確に分かれており、裁判になれば弁護士基準が認められる傾向にあります。

 

ですが、物損事故においては弁護士基準というものがないため、例え裁判になっても金額UPできる可能性は低いです。

 

できることが限られていますからね。弁護士が全損交渉でできることは、以下記事で書いてあることしかできません。要は、あなたができることを弁護士もすることになります。

 

 

違うのは、あなたが窓口か弁護士が窓口かの違いです。

 

そのため、金額UPできたとしても、そこまで大幅に上がることはまずないと考えたほうがいいです。

 

保険会社も人身事故で弁護士が介入した場合は、金額UPもやむなしと考えますが、物損事故で弁護士が介入してきても金額UPしようとはなりません。。

 

弁護士介入で長期化する

 

全損事故で弁護士に依頼する場合のデメリットとして、解決が長期化するということです。

 

弁護士によりますが、私の経験上、弁護士はレスポンスが遅いため、解決に1年かかるなんてこともざらにありました。

 

もちろん、それを覚悟で依頼されるということでしょうから覚悟の上かもしれませんが、解決が長引くだけ長引いて思い通りの結果にならないことも想定しなければいけません。

 

優秀な弁護士は全損事故だけでは動いてくれない

 

弁護士の取り分は成果報酬です。基本的に交通事故の弁護士にかかる費用は、「成功報酬20万円+賠償金の10%」が基本です。

 

そのため、金額をどれだけUPできそうかがポイントになるわけですが、全損事故でかつ物損のみの場合だと、UPできる金額もしれているため弁護士としては極力引き受けたくない案件です。

 

特に、優秀な弁護士ほどその傾向が強く、交通事故の相談においては、物損事故だけでは引き受けませんと明記している弁護士事務所が多いです。

 

全損で弁護士特約を使い弁護士に依頼しても金額UPできるわけではない

 

そのため、交通事故に特化した弁護士事務所には頼れない可能性が高いとお考えください。

 

 

弁護士特約を使うと自己負担ゼロで弁護士に依頼できる

 

ただし、自分の車や家族の車に弁護士費用特約がついていれば、無料で弁護士に依頼できるというのはメリットです。

 

厳密には300万円が限度ですが、300万円という金額は賠償金額2000万円以内であれば特約で支払える金額なので、全損事故においてはほぼ無料で依頼できます。

 

弁護士特約だけの使用であれば、次回保険料が上がることもありません。

 

そのため、まず交渉の余地があるかだけでも相談されるべきです。そこで、弁護士からの回答が難しいというのであれば、示談するという選択もできるかもしれません。

 

知り合いに弁護士がいないというのであれば、自分の車の保険会社にいい弁護士を紹介してほしいと電話をしたらOKです。弁護士を紹介してくれますし、そこで弁護士費用特約を使いたい旨も伝えればOKです。

 

 

まとめ

 

人身事故の交渉もお願いしたいのであれば、弁護士には必ず相談すべきです。弁護士基準での示談は、弁護士が介入しないと相手保険会社も応じてくれませんからね。

 

ですが、物損事故のみであれば、基本的に相談してみるだけでいいと思います。弁護士でなくても、交渉すれば金額UPできますからね。

 

なので、以下の記事に書いてあることを実践してみて、それでもダメなのであれば、弁護士に裁判しても難しいか?を確認されるのがおすすめの使い方ですよ。

 

 

仮に、ケガの交渉もお願いする場合は、保険会社経由ではなく自分で交通事故に強い弁護士を探して依頼するようにしましょう。

 

弁護士費用特約は、保険会社紹介の弁護士でなければいけない決まりはありませんし、保険会社の人間もどの弁護士が交通事故に強いかなどを把握していません。

 

ただ、地域の弁護士会に登録してある弁護士を選んで紹介しているだけです。交通事故をメインでやっていない弁護士が大半ですしね。

 

そのため、やる気もあり交渉も巧みな「交通事故に強い」と謳っている弁護士事務所に必ず依頼するようにしましょう。

 

page top